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   ドイツの二大銘醸ワイン産地ラインガウとモーゼル

 

 

ドイツには現在全13の指定栽培地域名(ベシュティムタ・アンバウゲビーテ)がありますが 

 

① ラインガウ②モーゼル・ザール・ルーヴァーは別格で最高級ドイツ銘醸ワインの産地で、 フランスで例えるとボルドーとブルゴーニュの様な存在だと思って下さい。          

他の11地域のものでも優れたものは御座いますし、

嗜好品ですので他産地が口に合う方も大勢いらっしゃるでしょうが、   

伝統的観点から見ますとラインガウとモーゼルが最高の評価を得ておりますし、               

味香も高貴で華やかな香りと繊細な酸味を伴った甘味のハーモニーが

独特の世界を持っていて 

 他の産地や国とも異なった美しく崇高な味わいを作り出しています。

高名な醸造家もほぼこの2地域に集中しておりますので、

高級ドイツワインを知りたいのであればまずこのラインガウ・モーゼル産地のワインを    

出来るだけ多く味わって頂ければ                  

真のドイツワインの神髄を理解する上で、本筋であり近道だと思います。

 

全13の指定栽培地域名(ベシュティムター・アンバウゲビーテ)① ラインガウ②モーゼル・ザール・ルーヴァー③ラインヘッセン④ファルツ⑤ナーエ⑥アール⑦ヘジッシェ・ベルクシュトラーセ⑧ヴェルテンベルク⑨フランケン⑩ミッテルライン⑪バーデン⑫ザクセン⑬ザーレ・ウンシュトルート

これだけ産地がありますので、フランス寄りの優れた味香を有するものも有りますし、     

個性あふれるワインが多数ありますので2大銘醸ワインの産地をある程度把握された後、  

これらのワインも楽しんで頂ければドイツワインへの理解も深まると思います。

ラインガウ地域   Rheingau

 

歴史、伝統、実力ともドイツ最高の生産地で高貴な香りと力強さをもち、色は黄金を溶かし込んだかのような気品あふれる

ワインを産する。貴族で広大で多数の畑を所有する生産者が集中していてドイツのなかでも別格の銘醸ワインの産地

ライン川本流北岸の南に面した約50kmにわたる斜面。ライン川が水鏡となり、光量が増し葡萄の熟成が進み、

しかも川からの霧が貴腐ぶどうに適した環境がもたらされる。

大河ラインに沿った伝統的銘醸ドイツワインの産地でコンパクトだが、銘酒揃いで、悪いワインを探すほうが難しい。

フランスブルゴーニュのコート・ド・ニュイのドイツ版の趣がある。歴史・伝統がありドイツを代表し、世界的にも知られている。

コク、深みが多分にありとろりとした味わいに良く熟した葡萄の香りを感じる。またもう一つの銘醸ワインの産地モーゼルとは

違う酸を持ち、高貴で品格があるものが多いこの二つの産地のものは別格である

貴腐ワインやアウスレーゼの特別な甘口ワインともなると最高の品質で驚くほどの味わい深い。

色合いと味わいとも黄金を溶かし込んでいるといわれるほど素晴しいワインが多い。

生産者も貴族で城を所有している生産者が多いし、そうゆう醸造所が有名で高価である。

また個人醸造所も大変レベルが高い。

 

世界3大貴腐ワインのひとつ等級トロッケンベーレンアウスレーゼを作るのに最適の産地で、ドイツの貴腐で特に         ラインガウのものは優秀で高価である。

貴腐はフランス・ソーテルヌのシャトー・ディケムが有名だが、

ラインガウの銘醸造家の手による貴腐ワインは濃厚でディケムに勝るとも劣らない。

 

現代の流行が辛口嗜好で、食事に合わせるワインが主流になりドイツワインもその流れにより

とても優秀な辛口ワインを生産するようになり、フランス的格付を行う試行をおこなっているが

複雑になりすぎて、混乱をきたしている。混乱期の為、解説は省きます。

 

個人的見解では、現在の等級は守り、甘辛度はトロッケン、ハルブトロッケンでよいと思う。

プラスでやや甘口「、甘口をラベルに表記すると更に解り易い。

 

それに畑の格付でグランクリュ(特級)、プルミェクリュ(一級)をラベルに表記して付け加えたら良いではないかと思う。

 

ワインの1番難解な部分の味を示してくれるのでドイツの等級が最良だと思う。

甘辛度をベースにした等級は他国にはほぼ無く、誇れるもので素晴らしいと思う

現在の世が辛口偏重主義過ぎる。ドイツワインの素晴らしき特徴は甘・酸のバランスによるものが大きい。

この様な甘・酸のバランス主義的味香を好む人は実際は多数存在する。

メディアや評論家は総じて辛口主義が多いので偏った流れになっている。

辛くないと恥ずかしいとでも思っているのだろうか?ワインは嗜好品なのに!

たかだか この数十年の流れでドイツワインの個性、利点を失うのは間違っている

伝統は捨ててはいけない。

 

嘆かわしくも各地、各国の個性的ワインが消えつつある。

もう金太郎飴のようなワインには飽き飽きしています。

 

伝統的なドイツを代表する偉大なワインの銘醸地ラインガウよ!個性を大切に守ってください。

 

葡萄品種 白:リースリング(高級品はこの品種のみ)、赤:シュペートブルグンダー

 

代表的な村と銘柄の一部を記します

他にも高名な醸造家は多数あります。

ヨハネスベルグ村 シュロス

   ヨハネスベルグ城

ハッテンハイム村

シュタインベルグ

ハッテンハイム村 

クロスター・エバーバッハ

Kiedrich(キードリッヒ)村

 ロバート・ヴァイル醸造所 

Hattenheim(ハッテンハイム)村     シュタインベルガー       Steinberger (Staatsweingüter Kloster Eberbach)

                         シュロス・シェーンボルン    Domanenweingut Schloss Schonborn

Johannisberg(ヨハニスベルグ)村    シュロス・ヨハニスベルグ    Schloss Johannisberg

Erbach(エルバッハ)村                   シュロス・ラインハルツハウゼン Schloss Rheinhartshausen

Winkel(ヴィンケル)村               シュロス・フォルラーツ     Schloss Vollrads

Rauenthal(ラウエンタール)村         ヘッセン州立クロスター・エーバーバッハ醸造所 Staatsweingüter Kloster Eberbach

Kiedrich(キードリッヒ)村             ロバート・ヴァイル醸造所    Weingut Robert Weil

Rudesheim(リューデスハイム)村    ゲオルク・ブロイヤー醸造所      Weingut Georg Beuer

Hochheim(ホッホハイム)村        ヨアヒム・フリック醸造所    Weingut Joachim Flick

Eltville(エルトヴィレ)村                ラングヴェルト・フォン・ジンメルン男爵家醸造所 Weingut Freiherr Langwerth von Simmern

Hallgarten(ハルガルテン)村     プリンツ醸造所                 Weingut Prinz

Assmannshaisen(アスマンズハウゼン)村 ヘッセン州立アスマンスハウゼン醸造所 Hessische Staatsweingüter                                            Domaine  Assmannshausen・・(赤ワインで有名な村)

 

 

モーゼル・ザール・ルーヴァー地域  Mosel-Saar-Ruwer

モーゼル下流代表 

ツェラー・シュヴァルツ・カッツ

モーゼル中流代表

 ベルンカステル

ルーヴァー川流域代表

マキシミン・グリューンハウス

ザール川流域代表 

シャルツホフベルグ

実に風光明媚な産地であり、蛇行するモーゼル川の両岸の絶壁と言える急斜面で作られるモーゼルワインが               総じて高級品であり、その美しく可憐な酸を基調とし

豊かな果実感あふれる味香は他国では決して作られないワインの芸術品を生み出す。

しかしモーゼルといえども並酒から超高級品まであり、高級品は甘・酸のハーモニーが素晴らしく香りも爽やかである

並酒は平地で生産されたものが多く、高貴な味わいに乏しく、香りにもやや品格にかけるが、                  

基本的傾向は同じなので並酒と言えど、十分美味である。

モーゼル川はその支流であるザール川とルーヴァー川の3つの川の流域に広がる生産地域で

ほとんどの畑は気象条件の理由により南向きで生産量の90%以上を白ワインという特別な産地。

赤ワインも少量生産されるが、偉大なものは白ワインにはぼ限られる。

 

味香の特徴、洗練度が地区により違いますので大まかに分類しましたのでご参考なさって下さい

ザール川流域            ザール川流域のワインは、クリスタルの様な透き通りかつ力強い硬さを併せ持ち、高貴な甘味が加わり良い年の最高の銘醸造家ものは特に素晴らしく、甘美なネクタール(神酒)となる。

またラインガウとタイプは異なる酸を基調とした高貴な銘酒となる

代表的な村にウィルティンゲン(シャルウホフベルガー)、ゼーリッヒ、オックフェン、アイル

 

ルーヴァー川流域         ルーヴァー川流域でローマ時代からの古都トリアーに隣接し銘醸造家の手によるものは、ザールの硬さとは一味違う柔らかさと、しなやかな酸を持ち、気品にもあふれ、ブーケが強く、銘酒となる。

代表的な村にアイテルスバッハ、カーゼル、マキシミン・グリューンハウス

 

モーゼル上流            モーゼル川上流では、高級品は無いが、エルプリングを主原料にしたワインが知られ、

比較的に酸が多いので個性的なワインや発泡酒(ゼクト)が多くつくられる。

 

 

モーゼル中流            乙女の様な純で爽やかさ、生気溢れる美しい酸味をベースとする白ワインがつくられる。

ベルンカステル地区モーゼル川中流域はモーゼルを代表する名だたる醸造家が多く

、急斜面は、「シーファー」と呼ばれる粘板岩質の特殊な土壌で

モーゼル川中流の急斜面は、「シーファー」と呼ばれる粘板岩質でスレート状の石がぶどう畑の表面を覆う特殊な土壌。

リースリングと土壌の組み合わせにより、酸味が際立った豊かな果実香を持ち、

代表的な村にピースポルト、ベルンカステル、エルデン、ユルツィヒ、などがある。

 

 

モーゼル下流            中流の様に銘酒は無いが、モーゼルの特徴であるフルーティでキレのよい酸味はあり

十二分に美味しく、他国に例のない味わい。並酒を多く産する。

ツェル・モーゼル地区はライン川と合流するコブレンツからツェルまでの下流流域。黄土質の土壌。

代表的な村にツェル、プレーム、コッヘムなど

代表的なワインに黒猫のラベルで有名なツェラー・シュヴァルツ・カッツなどがある。

この銘柄はとても多くの生産者が造っており、

手軽なモーゼルワインの代名詞だと思ってください。注:高級ワインではありません。

 

モーゼルの葡萄品種 白:リースリング(高級品はこの品種のみ)、ミュラー・トゥルガウ、エルプリングなど。

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